最初は、ただの“紙のランク”に見えていました。
でもその数字の裏には、母の身体と心を見つめる**ひとつの“ものさし”**があることを、介護の中で知りました。
「お母さんは“要介護2”ですね」
そう言われたとき、私は正直、ピンときませんでした。
「人を数字でランク付けするなんて…」と、少し抵抗を感じたのを覚えています。
けれど、介護の時間を積み重ねる中で、この“数字”がただのラベルではなく、母の暮らしを支えるための目安なんだと気づいたのです。
■ 誰が、どうやって決めているの?
要介護の認定は、役所が一方的に決めているわけではありません。
実際には、次のような流れで行われます。
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市町村へ申請(本人または家族)
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調査員が自宅を訪問し、生活や身体の様子を確認
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主治医の意見書を提出
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コンピュータで一次判定 → 専門家による二次判定
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市町村が最終的に「要支援・要介護」の段階を決定
つまり、身体と心の両面から丁寧に判断される仕組みになっているんですね。
■ 評価される3つのポイント
私が「知っておいてよかった」と思うのは、評価の軸になるこの3つです。
① 身体的な動き(運動機能)
歩けるか、立てるか、座れるか。
いわゆる日常動作(ADL)の難しさが重視されます。
② 精神的・認知的な状態
時間や場所の把握、会話の理解など。
母の場合は、少し混乱が出てきた頃に、介護度が上がりました。
③ 実際に介助が必要かどうか
「ひとりでできること」と「助けが必要なこと」の線引き。
支援の有無によって生活がどれほど変わるかを見ています。
■ 「数字の裏側」にあるリアル
母の状態が「要介護2」と聞いたとき、私は数字にばかり目がいっていました。
でも今は、その数字が「母の暮らしにどんな支援が必要か」を見極めるための、大切な手がかりだと思えます。
介護は感情的なもの。でも、支援を受けるには客観的な基準も必要なんですね。
なお、介護認定は1年ごとに見直されます。
状況が変われば、支援の内容やランクも変わることがあります。
そのたびに少し戸惑うけれど、
「母の今を改めて見つめ直す時間」なのかもしれない──
今は、そう思うようにしています。
■ まとめにかえて
介護認定の結果にモヤモヤする気持ちは、きっと誰にでもあります。
でも、その仕組みを理解することで、
「どうすれば母が安心して過ごせるか」を考える余裕が生まれました。
要介護度はゴールではなく、“スタートライン”。
母の今を見つめ、これからの支え方を考えるための道しるべです。
そう思えるようになったのは、
母とともに過ごす時間が、少しずつ教えてくれたことでした。

